給与デジタル払い21年春解禁
政府は今春に給与のデジタル払いを解禁する。企業は銀行口座を介さずに従業員のスマートフォンの決済アプリなどに振り込めるようになる。利用者は銀行からお金を引き出す手間がなくなる。デジタル払いが広がると、給与振り込みの口座を起点に預金を集める従来の銀行のビジネスモデルに影響をもたらす可能性もある。―― 政府は安全基準をみたした企業に限ることで理解を得る方針だ。3月末にも労基法に基づく省令を改正し、資金移動業者も例外的に認める対象に加える。個人情報保護や資金保全などでの基準を定め、安全性を担保できる場合に限って解禁する。事業者には保証機関や保険会社と契約し、仮に破綻しても労働者への支払いが遅れないようにする仕組みの構築を求める。
(日経新聞/ 2020 年1月27日)
現在すでに、給与の前払い、即日払いなどのサービスを提供している会社もあり、給与の受け取り方は、多様になっています。デメリットだった事務手続の煩雑さも解決でき、従業員の満足度向上に寄与しています。
会社と従業員の関係は、かつてとは大きく様変わりしているのが現実です。すでに所得税法で認められている給与明細の電子化ですが、すべてがデジタルというのも、どことなく虚しさを感じます。
「一カ月ご苦労様」と一人一人、呼んで両手で明細を渡す。従業員は、「ありがとうございます」と両手で受け取る ―― こんな場面は、あえてなくさてくても良いような気がします。毎回でなくても、社長の手書きの一筆を明細と一緒に渡す。字がうまい下手は関係なく、丁寧に書けば相手の心に響くものです。さらには、従業員家族への感謝の気持ちも、チラリと盛り込めれば言うことなしでしょう。便利なデジタル処理に移行しつつ
も、従業員の気持ちに配慮した賃金の決め方と払い方をすることが、現実的であり中小企業らしいと思いますが、いかがでしょうか。